顧問・受験よもやま話 |
<第160話を読む> |
よもやま話 [第161話]:目標点を作ってはいけない |
ある筋からの話では、「大学入学共通テストにおける各科目の平均点がどうなるかヒヤヒヤもんですよ」ということでした。 それはそうに違いありません。あの試行テストを数回やっただけで、作題者が目標とする平均点に近い問題を作れるとは思えません。かといってセンターのような問題を意地でも作るわけにはいかないでしょう。 つまりどうなるかというと、各科目によって、とくに英語・数学・国語ですが、平均点が大きく違うことが予想されます。理科や地歴公民のような選択科目の場合は、今年度はコロナの影響で得点修正などやっている時間はありませんから、差が出ないよう作題者に強く指示しているようですが、それだってどうなることやら。 塾生対象の講演でも言いましたが、今年度入試で最も大切なのは「動揺しない」ということです。傾向が変わっても学力があれば高得点がとれることは間違いないのですから。その学力を発揮できるように、慌てず冷静に集中して試験を受けられるかが高得点のカギとなるのです。 そのためには、各教科の目標得点を持たずに試験を受けることがコツといえます。ずいぶん前ですが、英語の平均点が大きく下がったことがありました。難関大学志望の受験生の多くは、英語で180点以上を狙います。しかしその年は難しい問題がでて、問題を解いているうちに「ああダメだ取れない」となります。そうなると動揺して大失敗をしてしまいます。 さらに次の科目に落胆したまま受けるので再度失敗してしまいます。そして翌日の試験のやる気がなくなってしまいます。この時は医学部でも150点で合格には十分な得点でした。最近では国語で平均点が50%の時がありました。このおかげでセンター試験を大失敗した受験生が多くいました。 今年度はそんな受験になることが十分に予想されます。ですから目標得点を作らず、「何点でもいいから問題に集中しょう」とだけ思って入試にのぞむことです。番狂わせというのは心の問題です。 どんな見たことがない問題がでても、慌てることなく冷静に集中して考えてみましょう、ほら大した問題ではないでしょう。平均点が大きく下がる問題を作るのは、なかなか勇気がいるものなのです。 1月以上かけて、新傾向問題に慣れておけば大丈夫です。過去のセンター試験問題をやってみるのも、学力を確認する意味で有効です。ケァレスミスをなくしたり、解法のスピード養成にも役立ちます。 今年は精神力の勝負の年でもあることを忘れてはいけませんよ。 |